棒銀について考える


もっとも単純な戦術、それが棒銀戦法です。概要を言うと、飛車先に銀が突撃して飛車先を突破するということです。 これ以上の説明は無いです。これで全てです。そんな奥の浅いように一見思われがちな戦法、それが棒銀です。しかし、この戦法実は単純なだけに受け方も難しいです。 何気に優秀です。矢倉の序盤と見せかけて後手が急戦棒銀に挑んでいく棋譜を例として載せましょう。 例の指了図ではわかりにくいかもしれないですけど、後手としては銀交換に成功し、飛車先の歩を切りつつ7筋の歩も持てたので、全く不満は無い所です。 作戦大成功といえましょう。後手からのこれからの攻めとしては▽94歩〜▽95歩〜▽97歩▲同香▽98銀というのが狙いになります。



さて、先手は棒銀に対してどうすればよかったのでしょうか?一番簡単な対策はこれです。

居飛車なんかやらないで飛車を振れ

具体的にいいますと、85歩と伸ばされた時に77角としまして、以下67銀から88飛とかにして向かい飛車を気取ります。これで完璧です。 いきなり棒銀を食らう可能性はなくなります。



当然、居飛車のまま受けることも実際には可能です。そうでなかったら先手で居飛車やる人がいなくなっちゃいます。 しかし、居飛車で棒銀を受けるのははっきり言って面倒だと思います。矢倉に限らず、相掛かり、角換わりなどでも使われるくらいですから、棒銀自体がそもそも優秀なのです。 ていうか、やられたら嫌だからやらないでーって思ってる戦法の一つだったりします。マジで食らうとうざいです。 急戦棒銀でも、囲ってから棒銀でもどっちも嫌です。



というわけで、逆に使う側からすると素敵な戦法だと思います。とにかく単純なので、考えやすく、しかも受ける側が苦労します。 使う側が悲しいのは、棒銀はあまりに味気ないこと、なんとなく素人戦法っぽいこと、銀を捌けないとただのゴミと化すことです。 特に最後の点は重要でして、銀はとにかく捌かないといけません。



最後に棒銀に対する心構えを書いて終わります。


棒銀やられそうだったらとりあえず飛車を振れ


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