ジョーカーには主に次の3つの使い方があります。
1の使い方はいわゆる正規の使い方です。特に解説の必要はいりませんね。
2の使い方は、割とよく出てくることがあります。
次のような場合を考えてください。
C5T D35Q H4Q S78 jo
こんな手でビッドはD15、連合だったとします。
ナポレオンが初巡DA、2巡目DJ、3巡目DKと、Dを上から押してきます。普通に行けば、この3巡で自分のDは無くなってしまうのですが、joはいつでも出せるという特性を生かし、この3巡のどこかでだせば、DQを残すことができます。ナポレオンはDQを上回る切り札を持っていませんから、この切り札が残っているぶんだけ1巡多く負けることになります。
ナポレオンが更に切り札を打ち、副官がマイティを出せば、DQを捕まえることはできますが、マイティを無駄に使ってしまうことになります。
できればjoは普通に打ち出して使いたいところですが、そのためには自分がその前に1巡勝たなくてはいけません。
そこでこうして切り札を残す方が有効なことが多いのです。
また、NTでナポレオンの走りたいスートをとめる場合にも有効です。
3の使い方も、まれにですが、出てきます。
おもにNTで、あるスートの2巡目に出された2をまわすために、使います。
例えば、連合で、NTの初巡DAの後の2巡目で、
C469K H38 S4J jo
という手の時に、ナポレオンがDKを出して、隣の連合(と思われる人)がD2を出したとします。そこでjoを出します。ここでのjoはDの最も弱いカードとみなされますから、上手く行けば、D2がまわり、ナポレオンに余計に負けさせることができます。
やはり本来ならば、普通に打ち出してjoを使いたいところですが、自分に打ち出しの権利がまわってくる保証はありませんから、こうした打ち方も有効です。
NTにおけるはったり打ちは有効なテクニックの一つです。
C2 D37 H269TA SQ jo
中引きも合わせて、このような手でNTのナポレオンとなったとします。この場合、Hを走りたいところですが、そのためにはできればH2をまわようにしたいです。そこで、Dのカスカードを初巡に打ち出していきます。
常識的な考えで行くと、Dを打ち出したということは、ナポレオンの手の中にDが多く、後でナポレオンがそれで走りたいということになります。
ナポレオンが刈りたいところをわざわざ打ち出すのもおかしいですから、連合からはDをこれ以上つきづらくなるのです。
これにより、弱点となるスートの迷彩ができるのです。
これはNT以外のビッドで使われる、超高等戦術です。
C3 D4TQ S45K
4巡目にこのような手で連合、ビッドはC14だったとします。
連合(と思われる人物)から、Hが打ち出されました。自分より前にいるナポレオンが、C8でラフをしました。
Hがないのでそれより上の切り札でオーバーラフと行きたいところですが、あいにくと小さい切り札しかありません。
そこでアンダーラフ、C3をだします。
切り札は他のカードより強いカードだから、とっておいた方が良いのでは、と思うかもしれませんが、むしろナポレオンがCを出した時に、絵札を出すかどうかの選択ができるようにしたほうがよいのです。